ウエルシアとツルハが経営統合「ドラッグストア戦国時代」に大手同士が手を組み〈巨大チェーン〉が登場した納得事情

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整理すると、各地で割拠していた地方企業の淘汰が進み、今の業界は、郊外型として「新ツルハ」、サンドラッグなど、都市型ではマツキヨココカラ、スギHD、そして、郊外で独自の成長を維持しているのが、コスモス薬品、クスリのアオキ、ナチュラル、Genky Drugstores(ゲンキー)などの「フード&ドラッグ」各社が生き残って決勝リーグのメンバーを構成している、ということだ。

ちなみに、フード&ドラッグとは郊外立地で、食品の低価格販売で集客して、医薬品、化粧品をついで買いしてもらうことで大成功したドラッグストアのニュータイプだと簡潔に説明しておこう。

寡占化が進んでいるのに、1位と2位が統合する理由

さらにその成長度合いを見ると、イオンの後ろ盾の下、積極的に郊外型同業のM&Aを展開したウエルシアは、売上を35倍に拡大したが、都市型を統合して組成されたマツキヨココカラは4倍弱にしか成長しなかった。これはこの間、郊外のように市場拡大しなかった都市型は統合してもそこまで大きくなる余地がなかった、ということだろう。

そして、都市型、郊外型のその他大手各社がM&Aを活用しつつ、6~10倍ほどに拡大したが、その間に同業M&Aをあまりやらなかったフード&ドラッグが出店によって既存大手に肉薄した。

コスモス薬品が24倍弱、クスリのアオキが20倍、ナチュラルHDは24倍と劇的に成長し上位に駆け上った。2003年時点の中堅以下で生き残って順位を上げたのは、大半がフード&ドラッグであった、ということである。

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