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〈インタビュー〉安川電機「人型ロボット」に本格参入、目指す勝ち筋…買収された東京ロボティクス社長「AIロボット用モーターから共同開発する」

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さかもと・よしひろ/ 早稲田大学理工学研究科機械工学専攻修了、工学博士。大学研究者やフリーランスエンジニア、IT企業経営を経て、2015年に東京ロボティクスを創業。研究用力制御ロボットを展開。25年に安川電機が完全子会社化。早稲田大学次世代ロボット研究機構招聘研究員兼務(写真:編集部撮影)

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エヌビディアが仲人となり、ソフトバンクや富士通といったIT各社との距離を一気に縮めている安川電機。小川昌寛社長は「物理(ロボット)なくしてフィジカルAIの社会実装はない」と語り、AI(人工知能)の活用を模索するプレイヤーに対し、自社の強みであるハードウェアを提供する姿勢を鮮明にしている。
背景にあるのはAIの急速な進化だ。ロボットは単に決められた動作を繰り返す機械から、状況を判断し、自律的にタスクを計画・実行する存在へと進化しようとしている。フィジカルAIという潮流を前に、安川電機は大きく舵を切った。かつては「やらない」と公言してきたヒューマノイド(人型ロボット)領域への本格参入だ。
その中核として迎えたのが、早稲田大学発のスタートアップ・東京ロボティクス。社員15名の少数精鋭ながら、研究開発用ヒューマノイド「Torobo(トロボ)」で存在感を示してきた。
なぜ今、大企業の傘下入りを決断したのか。AIの潮流において、ロボットベンチャーはどんな変化を迫られているのか。同社の坂本義弘・代表取締役CEOが見据える、日本企業の勝ち筋を聞いた。

出資の相談から完全子会社化へ

――安川電機の小川社長はもともと「ヒューマノイドはやらない」と断言していました。AIの進化が認識を転換させたとも言えますが、本格参入へと駆り立てたのは、坂本さんとの出会いだったのでしょうか。

それはどうだろうか(笑)。きっかけは一昨年(24年)の秋、エヌビディアが主催したAIイベントでのことだった。小川社長が登壇し「自動化の未開拓領域」について講演された。

質疑応答で私が手を挙げ「(AIを活用して)人間がいる環境にロボットが入るなら、ハードウェアの設計論も変わるべきでは」と投げかけた。社長も「そのとおりだ」と応じてくれたのがすべての始まりだ。

――そこから1年足らずの25年7月に買収が完了しました。かなりのスピード決着ですね。

買収話は急転直下で進んだ。具体的な交渉プロセスが始まったのが25年の春頃。当初は出資の相談だったが、話が盛り上がる中で完全子会社化という形に落ち着いた。

幹部にお会いした際は「日本を見渡して、まともなヒューマノイドを作るベンチャーがほかにありますか?」と率直に問いかけた。現段階で最も技術力があり、今後も作れる自信がある。二足歩行を含め、今の日本で先端的なヒューマノイドを形にできるのはうちだけだ、という自負を伝えた。

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