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100m走、マラソン、ボクシング、ダンス――。中国の新興企業が開発したヒューマノイド(人型ロボット)の身体能力や俊敏さがメディアでよく取り上げられるようになった。「宙返り」など、人間に難しい技を難なくこなすその姿は、AI(人工知能)ロボットの潜在力を示して余りある。
とはいえ、日本のロボティクス事業を率いてきた開発者たちは冷静だ。
「我々が中国の真似をする必要はない」。こう言い切るのは川崎重工業の精密機械・ロボットカンパニープレジデントの松田義基常務執行役員だ。同社は1969年、国産初の産業用ロボット「川崎ユニメート2000型」を誕生させ、のちに「ロボット大国」へと成長を遂げる日本の地歩を固めた老舗だ。
重要なのは「どこで、どう使うか」
「中国製ヒューマノイド自体の能力はたしかに高い。“見せ方”もうまい。PR戦略としては正しく、また成功していると思う。ただ、本当の課題はもっと先にある。飛んだり跳ねたりするあのヒューマノイドは、どこで、どのように使われるのか?」(松田氏)
見世物に使うならばこのままでよいが、投じてきた巨額投資を回収するには「必要とされる現場」に売り込まなければならない。松田氏は、「おそらく、製造現場向けに実装する際には、もう一度ハードから作り変えなければならないだろう」と予測する。


















