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ASML機と同じマスクを使える
――ASMLは最先端のEUV(極端紫外線)以外の露光装置でも高いシェアを握っています。ニコンは新型のArF液浸露光装置で「ASML機との互換性」を打ち出しました。
顧客の現場では、ASMLの装置用に作ったフォトマスク(半導体ウェハーに回路を転写するための原版)が大量にある。ところが、そのマスクをニコンの装置に持ってくると、レンズの設計思想の違いから、転写される回路パターンが「反転」してしまう。
顧客はマスクを共用できず、ニコン導入のために専用マスクを作らなければならない。これが最大の参入障壁になっていた。
だから、われわれは装置設計を変えてでも「合わせましょう」と決断した。ASML機と同じマスクを使えるようにし、さらにASML機が置いてあったスペースにそのまま入るサイズにする。
――競合と同じ土俵に乗ることで、顧客があえてニコンを選ぶ理由は何でしょうか。
互換性がないというマイナスを解消すれば、その先にある生産性(スループット)と価格で勝負できる。顧客からは長年、「ASMLの一社依存はリスクだ」という切実な声を聞かされてきた。
ASMLへの依存度を下げたい、あるいはコストを抑えたいと考えている顧客がいる。(新型装置を)共同開発しているパートナーを含め、多くの顧客が「マイナス(互換性のなさ)さえ消してくれれば、価格と生産性でニコンを選びたい」と言ってくれているのは確かだ。「がんばってくれないか、待っているよ」という声を世界中から受けている。



















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