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「日本の製造業を本気で応援したい」――。トレードマークのサングラス姿で、歯に衣着せぬ発言を繰り出すのは、登録者数30万人を超える製造業系YouTuberのものづくり太郎氏だ。
いまやフィジカルAIは注目のキーワードだが、彼に言わせれば「今さら何を言ってるの」という話。実際、1年以上前からこのトレンドを度々動画で取り上げてきた。
ミスミグループやパナソニックなどFA関連企業で勤務したのち、2020年ごろからYouTuberとして活動開始。半導体産業の国際展示会・SEMICON Japanの公式アンバサダーも務め「日本の製造業の再興」を掲げ、全国で講演を重ねている。
そんな彼を囲む場が用意されたのは、寒風が吹く1月某日。都内某所に、ロボット業界の最前線と現場を知り尽くしたキーマンが集結。2時間以上にわたり、熱い議論を交わした。
(座談会メンバー)
ものづくり太郎:登録者30万人超の製造業系YouTuber。現場とトレンドをつなぐ
山田太郎氏:自民党参議院議員。25年3月にロボット議員連盟を立ち上げ、議長を務める
藤本浩明氏:川崎重工業 社長直轄プロジェクト本部ソーシャルロボット事業戦略部 特別主席
和嶋渓氏:トロン代表。ヒューマノイドのSI事業を手がけ米中のエコシステムに精通
(後編「米中のフィジカルAI攻勢で迫る"日本の賞味期限"」は3月4日配信予定)
これから立ち上がる未知の巨大市場
――従来の産業用ロボット業界で取り組んできた「AIロボット」と、フィジカルAIは何が違うのでしょうか。
和嶋氏: ここが混ざりやすい。まず「フィジカルAI」というと自動運転や大規模なシミュレーションも含まれ「AIロボット」はその一部だ。ただ、その中でもまったく異なる2つの世界観がある。
1つ目は、伝統的な産業用ロボットをAIで賢くする世界。自動車部品をピッキングしたり、電子基板にコネクタを挿し込んだりするような動き自体は産業用ロボットでも可能だが、無数の部品やコネクタのパターンを教示する必要があり、導入のボトルネックになっていた。AIがこのティーチングの手間を減らし、ロボット導入のハードルを下げていく。
2つ目は、ヒューマノイドや四脚ロボットのように、ロボット基盤モデルがないと成立しない新しいロボットの世界だ。前者のパイと比べ、後者はこれから立ち上がる未知の巨大市場のため注目が集まっている。
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