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安川電機を「1年」で変えたフィジカルAI。小川社長が語る「次元の違う景色」をもたらしたのはエヌビディアとの協業だった

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小川昌寛(おがわ・まさひろ)1964年生まれ。87年九州芸術工科大学(現九州大学)芸術工学部卒業後、安川電機入社。2010年米国安川取締役会長、16年ロボット事業部長などを経て23年3月から代表取締役社長(撮影:谷川真紀子)(撮影:谷川真紀子)

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電動機を祖業とし、「動かす」技術を100年以上にわたり磨き続けてきた安川電機。ヒューマノイド(人型ロボット)新興の東京ロボティクス買収や米国でのロボット生産など、未来を見据えた戦略を次々と発表。小川昌寛社長は昨今のフィジカルAIブームを「われわれは先行してきた自負がある」と語る。“自ら考え、動く”ロボット「MOTOMAN NEXT」を武器に、工場だけでなくあらゆる場所の自動化に挑む安川電機の視線はどこに向けられているのか。小川社長の脳内を解剖した。

――昨年12月の国際ロボット展では、通信とAIが融合したインフラ「AI-RAN」の構想を持つソフトバンクとの連携をデモンストレーションしました。ソフトバンクと組む狙いはどこに。

国際ロボット展でのソフトバンクとのデモンストレーションでは業界に大きな示唆を与えたつもりだ。

従来、ロボットが自分で判断して動くには、高性能なコンピューターを本体に内蔵する必要があった。だが、そうするとロボットの価格が上がるし、バッテリー消費も激しい。かといって、すべてをクラウド(遠隔のサーバー)で処理すると通信に時間がかかり、瞬時の判断ができない。そんなジレンマを抱えていた。

この課題を解決したのがソフトバンクの「AI-RAN」だ。5G基地局という現場に近い位置で重い計算処理をすることで、ロボット本体は軽量となり、バッテリー消費も抑えられ、高度な判断ができる。

安川電機が「体(フィジカル)」を、ソフトバンクが「通信とAIインフラ」を担うことで、互いの空白地帯を補う関係だ。

ロボットが「知識」を持てるかどうか

――国際ロボット展で「AI-RAN」ロボットは、オフィス内でのミーティング準備をしていました。途中、汚れたテーブルを拭く姿も見せました。工場や倉庫ではなく「オフィス環境」での仕事ぶりを見せたのはなぜですか。

今必要なのは、ロボットの使い道を広げることだ。ティーチング(熟練者が動作を教え込むこと)なしに動けないロボットは、今後は現場で敬遠されるだろう。オフィスビルや商業施設のように状況が常に変わる環境で、人間の常識や経験のような「知識」をロボットに持たせたい。それに挑戦している。

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