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日本の牙城「産業用ロボット」はフィジカルAIの大波に耐えられるか。「エレキ敗戦」の二の舞いを回避する道筋とは

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ソニーはかつて「ウォークマン」で世界を制したが・・・(写真:時事)

特集「半導体新次元 「フィジカルAI」の勝者は誰か」の他の記事を読む

「来るべきデジタル家電時代に向け、全力を挙げて取り組む」。今からさかのぼること四半世紀以上前の1998年12月、松下電器産業(現パナソニック ホールディングス)の杉山一彦副社長(当時)は、アメリカのサン・マイクロシステムズ(2010年に米オラクルが買収)との提携会見で、こう決意を語った。

松下は、当時先端を行っていたサンのプログラム言語「Java」をデジタル家電で走らせ、一方でデジタル家電向けの自社製OS(基本ソフト)と米マイクロソフト製OSの両面展開も進めるなど、全方位的な展開に自信を深めていた。

サン・マイクロシステムズとの提携会見で決意を語った杉山一彦副社長(当時。写真:梅谷秀司)

当時の幹部は「デジタル家電市場は00年からの10年間で40兆円に成長する」と語り、日本勢が次の時代も覇権を握るとの自信に満ちていた。会見場にはそんな熱気があったことを筆者は記憶している。

しかし、これが夢物語だったのは周知のとおりだ。デジタル化によってエレキの世界は「垂直統合」から「水平分業」へ激変。現在、テレビOSの覇権は米グーグルや米アマゾンに握られ、ハードウェア市場は中韓勢が席巻した。

敗因はエコシステム変質の「見誤り」

かつてウォークマンで世界を制したソニーも、デジタル(MP3)への転換で主導権を失い、米アップルのiPod(その後iPhoneに進化)が市場を席巻した。

敗因は明白だ。デジタル化がもたらす「エコシステム(生態系)の変質」を、日本勢が見誤ったからだ。工場現場のすり合わせや品質の高さへの自負があったため、すでにアメリカ勢が先頭を走っていたソフトウェアやOS覇権の脅威を低く見積もっていたことは否めない。

デジタル化は、テープやディスクを回転させる駆動部品やすり合わせ技術を無用にし、半導体と電子部品を1枚の基板に載せるだけで製品ができてしまう世界へ、エレキを変貌させた。

その結果、ハードウェアはコモディティー(汎用品)化し、主導権は低価格路線の中韓勢に移行。一方で最も付加価値の高いソフトウェアやプラットフォームはアメリカ勢が独占するという現在の構図が定まった。

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