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微細化の限界が来た
――キヤノンとニコンの露光装置は1990年代半ばまで高いシェアを握ってきたものの、微細化技術で先行したオランダのASMLに市場を席巻されてしまいました。
かつてのキヤノンは、典型的な「プロダクトアウト(作り手主導)」だった。半導体業界にはITRS(国際半導体技術ロードマップ)という微細化の指針があり、それに従ってひたすら高性能な装置を作ればいいと信じていた。顧客の声を聞いているようで、実は「ロードマップに従うこと」が目的化していた。
しかしわれわれは、そのスタンスを根本的に変えてきた。
――何が転機になったのですか。
技術競争を経て「マーケットイン」、社内用語で言えば「デザイン・イン」へと大きく舵を切った。顧客が本当に困っていることは何か。単にスペックを上げるのではなく、顧客の悩みを解決するソリューションを装置に組み込む。このデザイン・インへの転換こそが、現在のKrFやi線といった先端パッケージ向けの後工程露光装置のシェア獲得につながっている。
――微細化の限界が叫ばれる中、露光装置に求められる役割も変わるのでしょうか?
NANDフラッシュメモリがよい例だが、微細化の限界が来たため、縦に積層する方向へ進化した。そうなると最先端のEUV露光装置を使う層だけでなく、それ以外の層、例えばKrFやi線を使う工程が減るどころか増える現象が起きている。



















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