〈CEOは続投〉キヤノン御手洗氏、10年ぶり3度目の社長交代/経営トップ退任は「任せられると見極めたとき」に
「清廉かつ公正な人柄は経営者として申し分ない。当社の社長COOに最もふさわしい人物であると私は確信している」
1月29日正午、東京・内幸町の帝国ホテル。金屏風を背にキヤノン会長兼社長CEO(最高経営責任者)の御手洗冨士夫氏(90)は語り出した。取締役在任期間44年、約30年にわたり経営トップを貫いてきた御手洗氏が、この場所で社長交代会見を開くのは2006年と16年に続き、3回目となる。
キヤノンはこの日、小川一登取締役副社長(67)が社長COO(最高執行責任者)に昇格する人事を発表した。御手洗氏は社長職を譲るものの、会長CEOとして引き続きグループ全体の陣頭指揮を執る。小川氏の社長就任は3月27日の定時株主総会を経た後となる。
御手洗氏はCEO職を経営の要と位置づけている。社長は譲るが、CEOはなお自らが務める。そうした意味で、社長交代をもって「トップ交代」とまでは言えなさそうだ。
5年間の中計は「やり遂げる気持ち」
キヤノンにとって26年は重要な節目となる。「グローバル優良企業グループ構想」の新たな5カ年が始動したからだ。
御手洗氏は1995年に社長に就任、翌年から5年ごとに中期経営計画を立案・実行してきた。グローバル優良企業グループ構想は30年にわたり掲げてきた旗印で、今回でその「フェーズ7」に入る。
御手洗氏が長年、理想の企業像として追い続けるのが「ブルーチップ(優良株)」の地位だ。
23年間にわたるアメリカ駐在時代に目にしてきたIBMやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など、洗練された職場環境や強固な財務体質を備えた企業群。「いつかはあの存在に近づきたい」と夢を抱き続けてきた。
2030年までのフェーズ7で狙うのは成長の再加速だ。半導体製造装置や医療機器、産業印刷機を成長ドライバーに据え、売上高でキヤノン史上初の5兆円超を目指す。30年に売上高5.6兆円(25年比で約2割増)、営業利益率15%(25年比で約5ポイント増)という目標を掲げる。



















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