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キヤノン会長「医療機器は10年後の柱」に迷いなし 御手洗氏「事業の大転換は絶対にやり遂げる」

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キヤノン史上最高額となる減損損失の計上。この状況を前に御手洗冨士夫会長兼社長CEOが語ったこととは。

キヤノン御手洗会長兼社長
みたらい・ふじお/1935年生まれ。中央大学法学部卒業。1961年キヤノン入社。1979年キヤノンUSA社長、1995年にキヤノン社長就任。現在まで2回、社長を退いた時期があるが、その間を含め一貫して同社の経営を率いる。2006〜2010年に経団連会長、2010年から経団連名誉会長(撮影:尾形文繁)

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キヤノンが1月末に公表した2024年12月期の決算は、17年ぶりに過去最高となる売上高を記録した一方で、営業利益や最終利益が4年ぶりの減益となった。原因は1651億円に上る医療機器事業での「のれん」の減損損失計上だ。
2016年に東芝から6655億円で買収したキヤノンメディカルシステムズ(旧・東芝メディカルシステムズ)ののれんを中心に減損処理した。医療機器市場が足元で変化しており、将来の収益計画が買収時の予想を下回った。
全2回の連載1回目は御手洗冨士夫会長兼社長CEOへのインタビュー。御手洗会長が語ったのは、医療機器事業に対して持つ変わらぬ自信だった。

【配信予定】
3月13日(木)キヤノン「医療機器事業の挽回体制」は年内に構築(仮)

――これまでのキヤノンメディカルシステムズの経営をどう評価していますか。東芝の傘下にあった時代から経営を率いる瀧口登志夫社長にずっと任せてきました。

よくやってきたと考えている。実際、買収から7年、増収増益を続けている。赤字に陥ったとか、何かしらのダメージを負ったというわけではない。

キヤノンとしては、赤字でもなかったのであまり関与してこなかった。もちろんアドバイスなどはしていた。一方で期待値が大きかったのかもしれない。実際より、どんどん期待値を乗せていったところがある。その分が今回ののれんの減損となった。

今でも安く買えたと思っている

――買収金額は6655億円と巨額でした。将来性に見合った額だったのでしょうか。

いやいや安かった。今考えても安く買えたと思っている。これは組織作りをした人でないとわからない。

いいですか。キヤノンメディカルの創業は1930年、キヤノンは1937年設立で、向こうがいわば兄貴。キヤノンメディカルには千数百人の医学・医療の専門の開発部隊があり、一流の製品を造っている。

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