「武器」化されたレアアース、日本の産業界は耐えられるか。サプライチェーンを牛耳った中国
このときから日本は、自国での調達を再び探り始めた。11年、商社大手の双日とエネルギー・金属鉱物資源機構が、オーストラリアのレアアース生産企業ライナス社に約200億円を共同で出融資。軽希土の調達に見通しをつけた。23年には約180億円を追加出資し、中国依存度が100%だった重希土の調達に踏み出す。今年10月30日には、初めてオーストラリア産の重希土が日本に入った。
ただ、中国依存脱却への道は遠い。09年に84%あった日本の中国依存率は、1度目のレアアースショックを経て一時57%まで下がったが、直近24年は71%へ再上昇している(図④)。脱炭素化やデジタル化など、GXやDXの流れがレアアース需要を膨らませている。

逆転を許した磁石加工
さらに深刻な事態がある。
「今年のレアアースショックは、15年前とは次元が異なる」
こう語るのは丸紅経済研究所の李雪連・上席主任研究員だ。
「15年前の輸出規制は長く続かなかった。当時の中国は、磁石加工を日本に依存していたからだ」

















