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中国はいかにして「レアアース大国」となったのか。苦汁をなめた時代からはい上がってきた執念。だが、レアアース輸出規制は両刃の剣

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「中東には石油があり、中国にはレアアースがある」と唱えた鄧小平(写真/Getty Images)

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国際的な政治経済の構造とパワーバランスが大きく変わろうとしている。アメリカを筆頭とする先進国が中心の一極構造から、中国、ロシア、インドなどで構成するBRICSや新興国が同列に並ぶ多極構造へと、世界がその姿、形を変えているのだ。

大きな地殻変動の中で、アメリカと中国、両大国による対立・主導権争いがエスカレートしてきた。高関税や半導体の輸出規制といったアメリカの中国への攻勢に対し、中国が反撃の「武器」に使っているのがレアアースだ。

世界が中国に依存する構造へ

中国のレアアース埋蔵量は約4400万トン、鉱石生産量は約27万トンで、前者は世界の5割近く、後者は7割のシェアを占めている。その下流にある精錬量7.4万トンは世界シェアの9割超を占める(いずれも2024年)。国際エネルギー機関(IEA)によると、電気自動車(EV)やロボット、風力発電などハイテク分野に不可欠な磁石向けレアアースの世界総需要は今後大きく増加する見込みで、24年の9万トンから50年には18万トンに達していると予測されている。

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