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大リーグ王者・ドジャース傘下のVC「エリシアン・パーク・ベンチャーズ」幹部が語るスポーツ✕ベンチャーの可能性

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ドジャースのオーナーグループは、スポーツに特化したベンチャーキャピタルも運営。球団と連携しつつ、巨大なスポーツビジネスの市場を開拓しようとしている (写真:Kevork Djansezian/Getty Images)
巨額の配信権取引やベッティングなど、世界的な活況を見せるスポーツビジネス。近年は視聴体験の刷新といった形で、テクノロジーとの融合にも注目が集まり、スタートアップ企業の進出も目立つようになってきた。
そんなスポーツビジネス関連のベンチャー投資を手がけてきたのが、アメリカのベンチャーキャピタル(VC)であるエリシアン・パーク・ベンチャーズ(ELYSIAN PARK VENTURES)だ。大谷翔平選手を擁するロサンゼルス・ドジャースのオーナーグループによって、2014年に設立されると、スポーツ関連の幅広い企業に投資を行ってきた。
11月に同ファンドのマネージング・パートナー、ジェイ・アディヤ氏が来日。今回、アディヤ氏と、シリコンバレーと東京に拠点を置き、スポーツ領域にも投資するベンチャーキャピタル、スクラムベンチャーズの創業者兼ジェネラル・パートナーの宮田拓弥氏に、世界のスポーツビジネスやスポーツ領域のベンチャー投資の概況を聞いた。

「スポーツの未来」への投資

生成AIの登場に加えて、金融引き締めによる資金調達の難しさ、イグジット環境の変化など……スタートアップをめぐる環境は大きく変化している。週刊東洋経済の恒例特集「すごいベンチャー」を連載化。連載の一覧はこちら

――数多あるベンチャーキャピタルの中でも、ドジャースのオーナーグループによって設立されたという点はユニークですね。

ジェイ・アディヤ氏(以下、アディヤ):11年ほど前、オーナーグループは「スポーツの未来」への投資を目的に、エリシアン・パーク・ベンチャーズを設立した。われわれはスポーツに特化した投資グループで、すべてのパートナーがスポーツ業界出身者となっている。

スポーツ関連分野で優れたネットワークや豊富な経験を有し、投資先も何らかの形でスポーツに関わっている。ファンドのポートフォリオ(投資先企業)は約70社を擁する大規模な構成だ。

――どのような経緯で設立されたのでしょうか。

アディヤ:(2012年に)ドジャースを買収した際、オーナーグループはスポーツ分野におけるイノベーションを学び、推進するための組織を設立したいと考えていた。球団が恩恵を受けられる新技術やイノベーションなどを導入するべく、エリシアン・パーク・ベンチャーズを通じて、スポーツの未来へ投資することとなったのが始まりだ。

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