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〈今週のもう1冊〉『軟式ボールの社会学』書評/競技として硬式より下位に置かれがちだが軟式独自の魅力と価値がある

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『軟式ボールの社会学 近代スポーツの日本的解釈の可能性』三谷 舜 著
軟式ボールの社会学 近代スポーツの日本的解釈の可能性(三谷 舜 著/創元社/3300円/200ページ)
[著者プロフィル]三谷 舜(みたに・しゅん)/中京大学スポーツ科学部任期制講師。1994年生まれ。専門はスポーツ社会学、スポーツ文化論。スポーツ用具とスポーツの変容の関連について研究し、ソフトボールの指導者としても活動する。
さまざまな分野の専門家が、幅広い分野から厳選した書籍を紹介する。【土曜日更新】

野球やテニスのようにボールが硬式と軟式に分かれている場合、競技としての「格付け」で、軟式が硬式の下位に置かれるヒエラルキー構造を否定しえない。

本書は、硬式と比べて「チープなイメージ」を持たれがちな軟式スポーツについて、学術的な観点から「内在的な価値」を考察したものだ。

軟式スポーツの歴史

著者は、軟式(ゴム製)のソフトボールに高校まで打ち込んだ。大学進学に際してスポーツ推薦の話が舞い込むほどだったが、大学では革製の硬式球にうまく適応できなかったという。その要因に自身のマインドの未熟さや練習不足があったと認めたうえで、ボールの硬軟による競技の変容に着目するようになる。

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