「選手たちがうまくなる環境がここにはある」王貞治が感嘆した"税金に頼らない"野球による町おこしの凄み

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「球都桐生歴史館」を視察する王貞治氏。隣は荒木重雄氏(写真提供:球都桐生プロジェクト)

税金に頼らず、町と野球の未来を変える――。群馬県桐生市が挑む「球都桐生プロジェクト」が今年も始動した。8月23日、旧桐生南高校跡に開設されたKIRINAN BASEに、桐生に縁がある5人の野球界のレジェンドが集結した。出席したのは、野球のさまざまなカテゴリーで「日本一」に輝いた5人。

渡辺久信
 桐生市出身 西武ライオンズで投手として活躍。引退後監督として2008年チームを日本一に導く。前西武GM。
川島勝司
 桐生高校出身、中央大を経て日本楽器(現ヤマハ)監督として1972年、都市対抗優勝、社会人日本一に。以後、87年、90年にも優勝。またアトランタ五輪監督として銀メダル。2021年野球殿堂入り
前野和博
 桐生市出身、桐生高校から芝浦工大を経て東芝に。東芝監督として1983年都市対抗野球を制し社会人日本一に。
河原井正雄
 桐生市出身、桐生高校から青山学院大に。青学大監督として1993、96年大学日本一に。小久保裕紀、井口資仁など多くのプロ野球選手を育成。
福田治男
 桐生市出身、桐丘高校(現・桐生第一)の創部と同時に初代監督に就任。1999年夏、正田樹などを擁し夏の甲子園を制覇、高校日本一に。

元NHKの小野塚康之アナの軽妙な司会で、野球人たちは「今だから話せる」秘話を紹介し、会場を沸かせた。

8月23日各世代日本一の名将対談(写真:筆者撮影)

この催しは、3回目を迎える「球都桐生ウィーク」のオープニングイベントとして開催された。イベントに先立って、KIRINAN BASE内に開設された「球都桐生歴史館」オープニングセレモニーも開かれた。

「税金を使っていない」野球の町おこし

群馬県桐生市は3年前から「野球による町おこし」を行っている。全国には同様に「野球」を観光や町おこしの目玉にした都市はいくつかあるが、ユニークなのは市が全面的に支援しながら「税金を使っていない」ということだ。

「球都桐生歴史館」オープニングセレモニーで荒木恵司桐生市長は祝辞の中で「この球都桐生の取り組みは、新たな形での『公民連携プロジェクト』です。財源は企業、団体、個人の皆さんのご寄付を原資としています。事業ベースでは税金を投入していません。皆さんの温かいご寄付をベースとしていることを、是非皆さんにもご理解いただきたい」と述べた。

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