「医者の言うことを聞きすぎなければよかった」…高齢患者の死の間際を見てきた医師が語る「とくに多い最期の"後悔"」

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医師しか知らない 死の直前の後悔
高齢期には、健康のために我慢をしすぎるのはよくありません(写真:jessie/PIXTA)
「働きすぎなければよかった」「もっと家族と旅行しておけばよかった」「友人や仲間との交流を大切にすべきだった」――。
40年近く高齢者専門の精神科医として6000人を超える方々と向き合ってきた和田秀樹さんは、患者さんが死ぬ間際や死が近づいたと自覚したとき、しみじみと語る後悔の声を聞いてきたことで、人生観や生き方を大きく変えたそうです。
それまでは医学界での名誉を求めていたそうですが、本当に自分のやりたい医療を行ったり、映画を撮ったりする方向にシフトしたのです。性格もおだやかになったといいます。
同氏の新著『医師しか知らない 死の直前の後悔』より一部抜粋し再構成のうえ本稿では、健康や医療の後悔で、特に多い後悔について教えてもらいました。

医者の言うことを聞きすぎなければよかった

実は、高齢者の後悔や不満でとくに多いのが、医師や医療に対するものです。

「医者に言われて我慢して節制してきたのに、たいして長生きできなかったよ」「血圧が高いとか、腎臓が悪いと言われてずっと好きなものを控えてきたけど、結局、死ぬときは死ぬんだなあ」これらは、人生の終末期にある患者さんからよく聞く言葉です。そこには、何とも言えない無念さややりきれなさがにじんでいます。

若いころから真面目に生活を律し、医者の言葉を信じて節制を重ねてきたのに、病気を防げなかった。好きなものを我慢してきたのに、思い描いていた「健康で長生きの老後」は手に入らなかった──そうした悔しさや虚しさを抱えている高齢者も多いのです。

私の経験では、医者や家族の言うことを真面目に守り、禁酒や禁煙、食事制限を徹底してきた人ほど、「あんなに我慢した意味があっただろうか」と感じる人が多いようです。

たとえば、お酒が好きな人にとっての晩酌のひとときや、甘いものが好きな人にとってのデザートは格別な時間でしょう。そのような、ちょっとした楽しみを失ってしまうと、日々の暮らしの満足度が大きく下がり、味気ないものになってしまいます。

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