「医者の言うことを聞きすぎなければよかった」…高齢患者の死の間際を見てきた医師が語る「とくに多い最期の"後悔"」

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数値が多少高くても好きな食事を楽しんだり、元気に出かけられたりすることのほうが免疫力や気力を高め、結果として健康寿命が延びるケースも多いのです。

とくに高齢者は数値を無理やり正常化することよりも、日常的な痛みや不快感がないこと、自分らしい生活を送れていることのほうが人生の満足度を高めると私は考えています。

ちなみに、糖尿病の治療においても「数値に厳格になるより、ゆるくコントロールしたほうが死亡率は低くなる」というデータがあります。

たとえば、血糖値を厳格に下げたグループよりもやや高め(HbA1c 7〜7.9%程度)で管理しているグループのほうが、生存率が高いという海外の大規模研究もあるのです。

メタボや肥満はどのくらい気にしたほうがいい?

また、アメリカ内科学会は2018年に「高齢者や寿命が10年以内と考えられる人に対しては、HbA1cの下限値を7%、推奨範囲を7〜8%とし、場合によっては目標値自体を不要とする」というガイドラインを出しています。

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合併症が多い人や高齢者の場合は、厳格な管理による副作用やストレスの影響が大きくなるため、きっちり管理して数値を無理やり下げるよりも、ゆるやかに管理するほうが結果的に長生きにつながるケースが多いのです。

ちなみに、私自身も最重症レベルの糖尿病を抱えていますが、インスリンは使わず、数値に縛られずに食事や生活を楽しむことで毎日を元気に過ごしています。

また、いわゆるメタボや肥満についても病院から指導されることがありますが、実際は過度に神経質になる必要はないことがわかっています。

たとえば、宮城県で5万人規模で行われた10年間にわたる大規模調査では、40歳のときの平均余命がもっとも長いのは、BMI(体格指数)が25〜30未満の「太り気味(過体重)」、つまり小太りの人で、BMIが18.5未満の「痩せ(低体重)」の人と比べると、男性で7.1年、女性で6.26年長生きしていたことがわかりました。

むしろ、やせ型の人は、筋力や免疫力の低下によって転倒や誤嚥性肺炎のリスクが高くなり、結果として寿命が短くなってしまう傾向があります。とくに高齢者は、無理なダイエットや過剰なメタボ指導を避け、しっかり食べて栄養を摂ることが大事です。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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