「医者の言うことを聞きすぎなければよかった」…高齢患者の死の間際を見てきた医師が語る「とくに多い最期の"後悔"」

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たとえば、あと何年生きられるかはわからないけれど、好きなものを食べて心から楽しめる人生を送りたいと思うのなら、それも立派な選択です。その反対に、節制して1秒でも長く生きたいという人は、それもいいでしょう。

重要なのは「自分で選んだ」と思えることです。その選択の結果、もし長生きできなかったとしても、「自分で決めた人生だった」と思えれば人は納得できるものです。

「医者に言われたから仕方なく我慢した」と思うのと、「自分の意思で選んだ」と思えるのとでは、晩年の心の穏やかさがまったく違います。

少なくとも、周囲の声に振り回されるのではなく、自分の心の声にきちんと耳を傾けることが、後悔の少ない老後につながると思うのです。

「数値がいいから健康」とは限らない

現代の日本の医療では、健康というのは「検査の数値が正常であること」と考えられがちです。

たとえば、健康診断での血糖値やコレステロール値、肝機能や腎機能の数値が正常で、異常が見当たらない場合は「健康である」とされます。

ところが、数値がよくても実際に本人の気分がよいかどうかはまた別の問題で、「頭がぼんやりする」「いつも体がだるい」「気分がよくない」など体の状態が優れないこともあります。

とくに薬で血圧や血糖値を自分の適正水準より下げすぎた場合、数値的にはよくても日常生活が辛くなることがあります。私自身も薬で血圧を140ぐらいまで下げると、頭がボーッとしてしまって仕事になりません。むしろ少し高めのときのほうが、頭が冴えて元気に動けます。私のように感じている人はけっして少なくありません。

一般的に、日本の医療というのは基準値やガイドラインから少しでも数値が逸脱しているとすぐに投薬や指導が行われ、「本人がどう感じているか」「日々を快適に過ごせているか」という主観的な快適さは後回しにされがちな面があります。

たしかに、若い世代や働き盛りの60代ぐらいまではなるべく血圧や血糖値も正常値に近づけておいたほうが、生活習慣病になりにくいというのは定説となっています。

しかしそれ以降の年代では、血圧や血糖値の数値を無理やり正常化したことで、どのくらい寿命を延ばす効果があるのかは、元となる大規模調査が日本にはありません。

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