「医者の言うことを聞きすぎなければよかった」…高齢患者の死の間際を見てきた医師が語る「とくに多い最期の"後悔"」

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とくにコレステロールは、まるで悪者のように扱われがちですが、実は私たちの生命活動に欠かせない大切な役割を担っています。体内では細胞膜やホルモンなどの材料として使われており、健康を保つために必要な成分なのです。また、コレステロール値が高いほうが、免疫力が高くなり、がんになりにくいこともわかっています。

なぜなら、コレステロールは免疫細胞のひとつである「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」の重要な構成要素だからです。

このNK細胞は、がん細胞やウイルスに感染した細胞を見つけて排除してくれる、まさに体の見張り役ともいえる存在です。コレステロールが不足すると、NK細胞をはじめとする免疫細胞の働きが弱くなり、免疫力の低下につながると考えられています。

納得感のないまま我慢するのはNG

ですから、「コレステロールが高いと動脈硬化のリスクが上がる」といって、すぐに薬を処方する医師も多いのですが、そこは慎重に考える必要があります。日本のように心筋梗塞よりもがんで亡くなる人が圧倒的に多い国では、むしろコレステロール値が高いほうが望ましいという見方もあるのです。

さらにコレステロールは男性ホルモンや女性ホルモンの材料にもなっており、老化のスピードを緩やかにする働きもありますから、高齢期はとくにコレステロールを減らしすぎないほうがいいでしょう。

そして、いくつかの調査から血中のコレステロール値が高い人のほうがうつ病になりにくいことも判明しています。

これは、コレステロールが「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンを脳へ運ぶ役割を果たしているためではないかと考えられています。

そもそも、好きなものを控える生活が続くと、ストレスの原因になり得ます。ストレスが免疫力の低下やがんに深く関係していることはすでに医学的にも明らかですが、健康のために我慢していることが、むしろ健康長寿を妨げている可能性があることも多くの研究でもわかっています。

だからこそ、とくに高齢期には、健康のために我慢をしすぎるのはよくありません。

私は多くの高齢の患者さんたちと接してきたなかで、「もっと自分の気持ちを大切にすればよかった」と悔やむ声を何度も聞いてきました。

「医者に言われたから」「家族が心配するから」と、納得感のないまま我慢を続けるよりも「自分はどうしたいか」をよく考えて、自分で決めることが大切です。

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