百害あって一利なし、「老害」が"身体的にも"自らの身を滅ぼしかねない衝撃の理由

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身近な場面でも目にする機会が増えた「老害」。その危険性は周囲だけでなく、迷惑行為に及ぶ本人にも降りかかる可能性があります(写真:maru/PIXTA)
時代錯誤な主張をしたり、高圧的な態度をとって、周囲の人に迷惑をかけたり、不愉快な思いをさせる高齢者を指して「老害」と称することがあります。悪影響はもっぱら外部にばかり振り向けられると思いきや、実は「老害」の側にも深刻なダメージを与え、場合によっては死に至るケースもあるようです。
こう指摘するのは、ドラマ「ガリレオ」シリーズの監修を手がけ、5000体以上を検死・解剖してきた法医学者の高木徹也氏。近著『こんなことで、死にたくなかった:法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』から一部を抜粋・再構成して紹介します。

「老害」で死に至る最大の理由

あなたの周りに、急に怒鳴ったり感情的になったりする高齢者はいませんか?

「老害」や「クレーマー」などと揶揄されることもあるかもしれませんが、このような態度をとっていると、突然死の危険性が非常に高まります。

以前、些細なことから怒鳴り散らした高齢者が心肺停止に至ったケースや、飲食店へのクレーム中にお年寄りが急死したケースを解剖した経験があります。これらの死亡は、高血圧に起因した疾患に由来していました。

年齢とともに血圧が上昇する最大の理由は、血管が硬くなるからです。同じ量の血液が流れる場合、血管が柔らかければ血液の圧をうまく逃がすことができますが、血管が硬くなると血管内の圧は相対的に高くなります。

このような状態を「動脈硬化症」といい、主に生活習慣に由来しています。特に脂質や塩分の多い食生活、喫煙などによって徐々に重症化するのです。

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