百害あって一利なし、「老害」が"身体的にも"自らの身を滅ぼしかねない衝撃の理由

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この「動脈硬化症」が問題なのは、無症状で進行するにもかかわらず、血液の通りが悪くなることで、二次的に心臓にも負荷がかかることです。

血液が通りにくくなると、心臓はより多くの血液を送り出そうとして筋肉が厚くなり、「心肥大」という状態になります。その結果、血管内を通過する血液の摩擦は増え、血管の壁への負担が大きくなって動脈硬化症を増悪させます。

このように、「動脈硬化症」と「心肥大」が悪循環となって、高齢者の血圧は知らずしらずのうちに高くなっていき、心臓への負荷も大きくなっていくのです。

ちなみに、高血圧の治療として降圧薬が処方されることがありますが、これは高血圧によって生じる疾患の予防だけでなく、この悪循環を断ち切ることに一役買っています。ですから、降圧薬が処方された場合は、適切に服用することが重要です。

"老害"はこうやって生まれる

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ところで、歳を重ねると感情的に怒りっぽくなる場合がありますが、これも老化が影響しています。

歳を重ねると、若年者に比べて人生の経験値が高まり、自信を過剰に持つようになるため、会話においても自分のことを優先しやすくなります。一方で、視力や聴力の低下がこれまで培ってきた経験や自信を低下させ、周りの話についていけない疎外感から、悪口を言われているような感覚にも陥るわけです。

怒鳴り散らすなどして攻撃性が高まると、血管が収縮して脈拍が速くなります。いわゆる「頭に血が上る」状態ですが、動脈硬化症や心肥大がある場合は、血液がうまく循環しなくなり、心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。

また、脳に動脈瘤が形成されていた場合、破裂することで「くも膜下出血」や「脳内出血」を発症することもあります。

このように、感情的になって突然死する高齢者の多くは、高血圧にもとづく疾患が原因であることが多いのです。

高木 徹也 法医学者

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たかぎ てつや / Tetsuya Takagi

1967年東京都生まれ。杏林大学法医学教室准教授を経て、2016年4月から東北医科薬科大学の教授に就任。高齢者の異状死の特徴、浴槽内死亡事例の病態解明などを研究している。東京都監察医務院非常勤監察医、宮城県警察医会顧問などを兼任し、不審遺体の解剖数は日本1、2を争う。法医学・医療監修を行っているドラマや映画は多数。著書に『なぜ人は砂漠で溺死するのか?』(メディアファクトリー)など。

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