
――「金利ある世界」に突入しています。日本国債の市場環境をどのように見ていますか。
ゼロ金利やマイナス金利時代は、流動性がほとんど失われていた。当時は証券会社も日本国債のトレーダーを減らしていたが、今では逆に円スワップディーラーや日本国債トレーダーを探している状況だ。
日本国債に金利がついたことで流動性が復活し、売買が活発になっている。市場の「機能回復」という意味でも非常に良いことだ。
――ゆうちょ銀行はこれまで国債の残高を減らしてきました。今は運用戦略を見直しているフェーズでしょうか。
その通りだ。積極的に減らした時期もあったが、過去に減らした分を復元したい。日本の金利はさらに上がると思っており、もう一度、日本国債市場に参加することに意義を見出した。
かつては日本国債が「9割」
もともと運用ポートフォリオの9割が日本国債だった。しかし、国内金利が低下したことで残高を減らす一方、クレジット商品や外国債券などに活路を見出し、分散化されたポートフォリオをつくってきた。
ただ、円貯金を起点とするわれわれにとって、日本国債は最もフィットしやすいプロダクトだ。金利低下局面で日本国債を減らしたのであれば、金利がついてくる局面で残高を回復するのはおかしい話ではない。

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