心臓病の最終段階、じわじわ襲う「心不全」の怖さ 心筋梗塞や狭心症は「治療すれば安心」ではない
日本人の死因の第1位はがん。次いで多いのが心疾患(心臓に起こる病気の総称)だ。2022年の人口動態統計によると、高血圧を除いた心疾患の死亡者数は23万2879人(前年21万4710人)となった。そのうち約4割が心不全で、10万人に迫っている。
将来推計で、わが国は2043年に高齢者人口がピークに達し(国立社会保障・人口問題研究所の推計で3953万人)、それに伴う各種疾患の増加が予想される。その1つが心不全だ。
心不全患者の爆発的広がりが懸念
新型コロナウイルスは感染症のパンデミック(世界的流行)といわれたが、それになぞらえて、高齢者の増加などによる心不全患者の爆発的な広がりは「心不全パンデミック」と呼ばれ、警戒されている。
高齢者の疾患と思われがちな心不全だが、働き世代の30代、40代にも心不全予備軍は潜んでいる。
ただし、この段階では企業や自治体の健康診断などで健康チェックを怠らず、食生活や運動、適切な睡眠といった生活習慣の改善などで予防が可能だ。そして、一見心臓とは関係なさそうな足の健康を維持することも、心不全予防につながるという。
福岡山王病院(福岡市)の病院長で、心臓や血管の病気を治療する循環器内科医の横井宏佳氏に聞いた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら