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日本人が知らない「シャドーAI」の脅威。社内における”見えざる生成AIの活用”が統制を壊し、会社を窮地に追い込みかねない

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(写真:Supatman / PIXTA)
世界は今、AI革命をはじめとするテクノロジーの激変期にあり、その潮流は政治・経済の構造そのものを変えつつある。そして、その最前線に位置するのが、シリコンバレーだ。本連載では、アメリカにおける政治・経済の深層と、ビジネスの未来を方向づける最新トレンドを、日本のリーダー層に向けて発信していく。

日本の経営者の65%が「AIスキルの有無に無関心」

マイクロソフトの調査によると、アメリカ企業の経営者で、「AIスキルを持たない人材を採用する」と答えたのはわずか35%だった。その一方、同調査によると日本のリーダーは実に65%が「AIスキルの有無に無関心」と回答している。

本連載では、アメリカにおける政治・経済の深層と、ビジネスの未来を方向づける最新トレンドを、日本のリーダー層に向けて発信していきます

この数字は、AIの戦略的重要性に対する両国の認識格差を端的に示す。

経営・社会・行政の各層に横たわる日米のAI意識ギャップは、企業競争力と国力に決定的な差を生む。意識の遅れはAIに関する投資と人材育成を停滞させ、結果として社員がリスクをはらむ外部AIツールに頼らせる構図を招いている。今こそ経営陣が意識を刷新し、AIを戦略的に活用する体制を築くべき時である。

世界的に急速に拡大する「シャドーAI」(秘密AI利用)とは、従業員が経営陣の許可を得ずに社外のAIツールを秘密に業務に取り入れることを指す。同じマイクロソフトの調査によれば、日本のナレッジワーカーの実に78%が無許可のAIツールを職場で利用している。これはアメリカの63%とひ隠して15ポイント上回っている。

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