
稀有な実績を誇るイーロン・マスク氏
世界一の富豪として知られるイーロン・マスク氏の大胆な動きはアメリカの政治・経済を激変させうるものだ。一国の枠を超え、世界秩序に大きな影響を及ぼす可能性があるため、日本の政財界のリーダーはその動向を深く注視すべきである。
破壊的イノベーションを追求し、物議を醸すことを躊躇しないマスク氏は、自動車、航空宇宙、デジタル通信など、多岐にわたる産業を変革してきた。稀有な実績を誇るマスク氏を決して侮ってはならない。
「バイデン政権下で既に2兆ドルの財政赤字増え、トランプ政権ではさらに2.5兆ドル増える。そんなことをしては国家破綻だ」。こう訴えたマスク氏は、「アメリカ党」を設立し、2026年の中間選挙への参戦を宣言。既存の政治秩序を覆し、これまでの政治に新時代を拓こうとしている。
これに対し、ドナルド・トランプ大統領は「第三政党が成功した例はない。ばかばかしい」と一蹴した。
2024年の大統領選でトランプが圧勝した背景には、マスク氏が約420億円(2.9億ドル)を寄付し、共和党がホワイトハウスと上下両院の過半数を獲得したことがある。しかし今後、彼が自身の新党や政策に巨額の資金を投入すれば、トランプ政権に深刻なダメージを与える可能性がある。そのため、共和党内部でも両者の和解を訴える声が出ている。
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