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マンション修繕めぐり工事業者がスパイ行為。「なりすまし」を見破った管理組合理事を直撃

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工事業者がマンションの区分所有者であると偽る「なりすまし」問題が発覚した (gandhi/PIXTA)

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今年春、マンションの大規模修繕工事をめぐり、工事業者が談合して工事代金をつり上げているとして、公正取引委員会が調査に乗り出した。
時を同じくして、管理組合の理事会や修繕委員会に、工事業者が区分所有者であると偽って潜り込み、割高な工事に管理組合を誘導する問題まで発覚。テレビのワイドショーでも盛んに取り上げられるほど世間の注目を浴びている。
そんな中で、「なりすまし」を見破った千葉県内の大規模マンションに住む古山竜治氏(仮名・60代)を直撃。スパイ送り込みの手口と見破った経緯とは――。

修繕委員や理事に立候補してスパイ活動

――古山さんは現在、管理組合理事会の修繕委員会委員ですね。

うちのマンションは複数棟ある団地型で、理事会、修繕委員会ともに各棟にも団地全体にもあります。理事、修繕委員は立候補が最優先ですが、立候補だけで必要人数は確保できないので、残りは抽選です。私は5年半ほど前、抽選で自分が住む棟の理事になりました。

その棟と団地全体の、理事と理事長を4年務める中で、マンションの維持管理には大きな問題があると痛感しました。何とかしたいという使命感もありましたし、勉強してみたら建物や設備って面白い。そこで1年半前、理事の任期満了直後に自分の住む棟と団地全体の修繕委員に立候補しました。

――工事業者が潜入する手口は?

潜入してきたスパイは2人いて、そのうちの1人、Aさんは1年前の夏に、自分が部屋を所有している棟と団地管理組合の両方の修繕委員に立候補してきました。その直前の5月に、ある棟の一室を購入したとのことでした。

もう1人のBさんは2年前の夏に、別の棟の修繕委員に立候補してきました。Bさんは分譲当時からの区分所有者Dさん夫妻のお子さんという話でした。ここの棟では、修繕委員のなり手がいなかったので大歓迎でした。

――修繕委員会として迎えた新メンバーがおかしいと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

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