マンション修繕市場はブルーオーシャンゆえに逮捕事件後も「潜入」は続く。「バカ高い工事費」に目を光らせる公取委に、複雑な心境の業界団体
今年5月から6月にかけ、マンションの修繕工事に携わる「東大阪の施工会社」の2人の社員が、住居侵入容疑で神奈川県警に逮捕された。1人は、「覆面調査のアンケートに協力してくれれば1万5000円のアルバイト料を払う」というチラシをマンションに撒いたのをきっかけに、応募した居住者に接触。居住者の夫のふりをして修繕委員会に加わっていた。
もう1人は、住戸を買った区分所有者(東大阪の施工会社と取引実績のあるビルメンテナンス会社代表)の息子と身分を偽り、修繕委員会に参加していた。東大阪の施工会社の関係者が住戸購入後に区分所有者として管理組合の理事会や修繕委員会に加わっている例は多数ある。
「汚れ仕事」をさせているのは誰か
どちらも住民になりすまして管理組合に潜入し、自分たちが大規模修繕工事を受注できるよう誘導したとみられる。両名は処分保留で釈放されたが、神奈川県警は「詐欺未遂」と「偽計業務妨害」の容疑で捜査を続けている。
確かに東大阪の施工会社を中心とするグループの手口は悪質だ。しかし、闇はもっと深い。筆者は、東大阪の施工会社が暗躍できているのは、その「上」も彼らの存在を知り、汚れ仕事を任せているからではないかと疑問を抱いている。




















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