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【売り場を大刷新】「西武池袋本店」が予定から半年遅れでリニューアルオープン、今後はヨドバシカメラの出店も控えるが百貨店とのシナジーは不透明

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改装工事を経て、ついに3階の化粧品フロアがオープン。今月8日の内覧会には招待客5000人以上が来店し、売り場は多くの人たちでにぎわった(撮影:梅谷秀司)

「アメリカのファンドに買収されて色々ありましたけれども、きょうから新しい百貨店として再出発する」――。リニューアルオープンを迎えた心境を聞かれ、西武池袋本店(池袋西武)の寺岡泰博店長はそう答えた。

外資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループによる買収や、ヨドバシカメラの出店案で混乱が続いた池袋西武。同店はフォートレスが2023年9月に運営会社のそごう・西武を買収した後、ヨドバシホールディングスが店舗の土地や建物を取得して、昨年秋から全面改装が始まった。

全面改装は1940年に前身の武蔵野デパートが開業してから初めてで、改装工事の一部が終了。7月9日、当初の予定から半年遅れで新たな化粧品フロアがオープンした。

首都圏最大規模の化粧品フロア

新しい化粧品フロアに出店したのは47ブランドで、改装前の41ブランドより増えた。このうち、ディオールやシャネル(秋にオープン)、プラダ、バーバリー、グッチ(8月下旬オープン)の5つの高級ブランドの化粧品は同店への新規出店となる。

新しい池袋西武全体のテーマは「INCLUSION(包括性)」。化粧品フロアは、多言語アナウンスによって外国人旅行客への対応も強化していく(撮影:梅谷秀司)

2025年12月に1階に開業するフレグランス(香水)フロアを合わせると、売り場面積は1970平方メートルとなり、改装前の1.4倍に拡大。広々とした店内の端から端まで、さまざまなブランドの化粧品が並び、複数の商品を買い回りしやすいフロア設計により、売上高は開業3年目で45%増を目指す。

高級ブランドが増えたことで商品単価は高くなるが、より洗練されたカウンセリングや接客サービスでしっかりと売り上げを確保する。出店ブランドと協力して、フロアの販売員のうち、美容の専門学校を卒業するなどして資格を得たスタッフを増員。さらに男性客の化粧品需要も取り込もうと、男性の美容部員を従来の5人から11人に増やした。

また、改装前の化粧品フロアは店舗側が商品の在庫金額を負担する買取仕入れのブランドもあったが、リニューアルをきっかけに売り場を貸し出すテナント契約のブランドを増やし、百貨店側が抱える在庫リスクの低減や仕入れコストの削減も進めている。

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