有料会員限定

〈インタビュー〉近鉄百貨店・梶間社長が語る「地域店黒字化の仕掛け」と「ハルカス本店のリモデル」

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
近鉄百貨店の梶間隆弘社長
近鉄百貨店の梶間隆弘社長は「新中計の4年間のスタートは食からだ」と意気込みを語った(撮影:ヒラオカスタジオ)

特集「近鉄グループの大胆不敵」の他の記事を読む

近鉄グループにおいて流通業の一翼を担う近鉄百貨店。近鉄の主要駅を中心に百貨店や商業施設を運営する。百貨店店舗は、超高層複合ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)の低層部に入る本店をはじめ、近畿・東海で13店舗を展開する。
地方百貨店の苦境が続く中、近鉄百貨店はフランチャイズ契約を活用した郊外地域店の構造改革を断行。地域店を含む全店舗で営業黒字化を達成した。
地域店立て直しの現状、そして新中期経営計画の目玉の一つである「あべのハルカス近鉄本店」のリモデルについて、梶間隆弘社長に話を聞いた。

――2024年5月に近鉄百貨店の社長に就任し、今2026年2月期から4カ年の新中期経営計画を始動しました。現状の業績をどう評価していますか。

前2025年2月期は、売上高が微増だったものの、営業利益から当期純利益までは前期比2桁増となり、いい結果が出せた。コロナ禍前と比べると利益構造が大きく変わっている。

これまではあべのハルカスの本店と上本町店で稼いだ利益を、それ以外の店が食い潰していた。こういう構造は百貨店業界なら等しくそうだと思う。

しかし前期は、ハルカス本店と周辺のHoop(フープ)、and(アンド)で百貨店単体の営業利益(約42億円)の半分を稼いだことに加えて、本店以外の地域店でも利益を積み上げることができた。

すべての店舗で営業黒字を確保、しかも2期連続の黒字を達成している。地域店でも利益をしっかり稼げているのが強みの一つになっている。

成城石井を百貨店社員で運営

――地域店をどのように立て直しましたか。

トラフィック(人の流れ)の多い1階と2階に稼げるコンテンツを集約する。それを基本の組み立てにした。

稼げるコンテンツとは、まず食と日用雑貨。人口が減少していく中で、館の客数を維持・向上させるには来店頻度を上げるしかない。当社の強みである「駅直結」の利便性を最大限に生かしながら、お客様のニーズに応えられる品ぞろえをする。

とくにデパ地下という特別感のある食品をベースに据えようとする中で、今まではテナントにお任せする部分が多かった。それを根本的に変えようと、「成城石井」とのフランチャイズ(FC)に取り組んだ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD