
――2024年5月に近鉄百貨店の社長に就任し、今2026年2月期から4カ年の新中期経営計画を始動しました。現状の業績をどう評価していますか。
前2025年2月期は、売上高が微増だったものの、営業利益から当期純利益までは前期比2桁増となり、いい結果が出せた。コロナ禍前と比べると利益構造が大きく変わっている。
これまではあべのハルカスの本店と上本町店で稼いだ利益を、それ以外の店が食い潰していた。こういう構造は百貨店業界なら等しくそうだと思う。
しかし前期は、ハルカス本店と周辺のHoop(フープ)、and(アンド)で百貨店単体の営業利益(約42億円)の半分を稼いだことに加えて、本店以外の地域店でも利益を積み上げることができた。
すべての店舗で営業黒字を確保、しかも2期連続の黒字を達成している。地域店でも利益をしっかり稼げているのが強みの一つになっている。
成城石井を百貨店社員で運営
――地域店をどのように立て直しましたか。
トラフィック(人の流れ)の多い1階と2階に稼げるコンテンツを集約する。それを基本の組み立てにした。
稼げるコンテンツとは、まず食と日用雑貨。人口が減少していく中で、館の客数を維持・向上させるには来店頻度を上げるしかない。当社の強みである「駅直結」の利便性を最大限に生かしながら、お客様のニーズに応えられる品ぞろえをする。
とくにデパ地下という特別感のある食品をベースに据えようとする中で、今まではテナントにお任せする部分が多かった。それを根本的に変えようと、「成城石井」とのフランチャイズ(FC)に取り組んだ。
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