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〈インタビュー〉近鉄グループ若井社長が明かした「白金台での不動産再開発」「国際物流のグローバル戦略」「鉄道事業のポテンシャル」

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近鉄グループホールディングス若井社長
グループとして沿線外やグローバルでのさらなる事業展開を目指すと語る近鉄グループホールディングスの若井社長(撮影:ヒラオカスタジオ)

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近鉄グループホールディングス(HD)の中核事業は、私鉄で「日本最長」の営業距離を持つ鉄道が軸の運輸だ。だが10年後には異なる姿になっているかもしれない。
今年3月に出した「グループ長期ビジョン」では、2035年度の営業利益を1300億円超とする目標を掲げた。2024年度比で1.5倍という目標を達成するには、不動産事業と国際物流事業を運輸事業の利益水準にまで拡大させることが欠かせない。
どこに勝機を見いだそうとしているのか。若井敬社長を直撃した。

――3月に公表した2035年度までの新長期ビジョンは、どのようなコンセプトの下に策定したのでしょうか。今後10年で日本は高齢化と人口減がさらに進みます。

傾向としては、沿線人口の減少が避けられない状況だ。そのため、沿線の定住人口と交流人口をできるだけ増やしていけるような施策を打っていきたい。

われわれが張り巡らせている路線網を中心に、もっとできることがあるはず。そういう意味では、2030年を予定としている大阪IR(カジノを含めた統合型リゾート施設)の開業は、大きなビジネスチャンスになる。

加えて、沿線外やグローバルでも展開していけるのではないかと考えている。グループ全体で新たな付加価値を生み出していこうというコンセプトで新長期ビジョンを策定した。

「シェラトン都ホテル」周辺の再開発も

――新たな付加価値を生む源泉の1つは不動産事業でしょうか。2024年度は138億円だった同事業の営業利益を2035年度に300億~350億円へと倍増させる計画としました。

成長の牽引役、あるいは成長余力があると見ているのが不動産であり、国際物流だ。とくに不動産は、同業他社に比べて売上高に占める割合がまだ低い。しっかり力を入れていきたい。

宅地造成して戸建て住宅を面的に開発するようなことは、今後大きな事業にはならない。これからは沿線の駅前や都心部での再開発、あるいは保有地の高度利用などによる再開発・まちづくりに重点を置いていきたい。

マンション事業とアセット事業、そしてハウジング事業を不動産の3本柱としてバランスよく展開していきたい。 ハウジング事業においては、今後は仲介やリフォームなどノンアセットの領域を伸ばしていく方針だ。

――沿線外だけでなく、首都圏などの大都市でも再開発を手がける方針です。

首都圏の再開発をメニューとしては視野に入れている。当社が運営する東京・白金台の「シェラトン都ホテル東京」の周辺に開発の余地が大いにある。

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