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IAEA事務局長「核開発計画を放棄したリビアのカダフィ政権は崩壊した」「イランが核能力を重視する根本的な理由をしっかり考えるべきだ」

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モハメド・エルバラダイ氏。IAEAの第4代事務局長を務めた。2005年にはIAEAとともにノーベル平和賞を受賞している。2006年撮影(写真:ブルームバーグ)

1966年時点では、アメリカ、ソ連、英国、フランス、中国の5カ国だけが、核兵器を保有していた。それに加えて、各国とも核拡散がもたらす危険性を認識するだけの知恵も持ち合わせていた。政治的には多くの深い相違があったにもかかわらず、彼らは「核兵器またはその他の核爆発装置」のさらなる拡散を阻止するというコンセンサスに達した。

その結果、1970年の核拡散防止条約(NPT)の下で、非核保有国は核兵器を追求せず、すべての核活動について国際原子力機関(IAEA)の保障措置を受け入れることに合意した。その見返りとして、核保有5カ国は「核軍拡競争の停止と...核軍縮に関する効果的な措置について誠意をもって」交渉することを約束した。

世界の核弾頭の総数は1万2000超

NPTには191カ国が加盟しており、国連憲章に次いで最も広く採用されている国際協定である。

チェコ・プラハに本拠を置く国際的NPO「プロジェクト・シンジケート」は多くの有力者の論評・分析を配信しています。「グローバルアイ」では、主に同シンジケートのコラムの中から厳選して翻訳・配信しています

NPTを遵守しなかった国は、インド、パキスタン、イスラエルだけである。それぞれ核兵器を開発した。当初この条約に参加していた北朝鮮は、後に脱退して独自の核兵器を開発した。

当初の核保有国5カ国は、軍縮に関する取り決めを守らなかった。それどころか、核兵器を近代化するためにAIやその他の技術を利用してきた。いまや世界の核弾頭の総数は1万2000を超え、その国のパワーと威信を示す傑出したシンボルとなっている。

ロシアの指導者たちは、とくにその力を利用している。

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