台湾の問題は米中の問題であり台湾は解決できない問題だ、台湾の民主主義もまだ成熟しておらず、与野党が学習中の段階

「経験がないので混乱の解決方法がわからない」
――台湾の政治は、このところかなり混乱しているように見える。
私たちの世代は、台湾の民主主義のために奮闘してきた。しかし、台湾が独裁専制体制から民主体制に転換して、それほど長くない。台湾の民主主義はまだ成熟しておらず、与野党がいずれも学習している段階だ。問題はここにある。民主社会の中には多くの対立があるものだが、経験がないのでこれをどう解決すればよいのかわからないのだ。
――台湾の民主主義が成熟していないとは、具体的にどのようなことか。
私は台湾の民主制度を推し進めた人間の1人だ。1990年代、私たちが当時の李登輝総統と協力して憲法改正を進めるに当たって、アメリカのような大統領制でも、日本やイギリスのような内閣制でもなく、フランス第五共和制の二重首長制を模倣すべきだと考えた。しかし、完全にフランスの制度に倣って改正されたわけではなかった。
例えば、少数与党となったとき、大統領にはいくつかの選択肢がある。第1に、国会で多数となった野党から首相を出す方法だ。フランスでは大統領と首相が別々の党派ということがしばしば起きる。しかし、台湾にはそのような前例がないし、与党にそのつもりもない。
(注:台湾では、2024年の選挙で民進党の頼清徳氏が総統に当選したが、議会では過半数割れとなった、議会の主導権は、国民党と民衆党の野党連合に握られている)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら