「最強の対外不介入主義者」のはずが中東で揺れるトランプ大統領、「イラン攻撃の誘惑」があまりに危険すぎる理由

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陸軍創立250周年記念パレードで軍人らが行進する中、自らの誕生日も祝ったトランプ大統領。イランへ直接介入するのだろうか(写真:ブルームバーグ)

「トランプ劇場シーズン2」は、政権発足から5カ月目となる6月を迎えて、いよいよ加速してきた感がある。

かつてないほど効率的なイスラエルの「斬首作戦」

ほかならぬ「13日の金曜日」の早朝、イスラエルがイラン攻撃に踏み切ってから事態は風雲急を告げている。イスラエルは200機を超える戦闘機を動員し、イランの100カ所以上の軍事拠点を奇襲攻撃した。核開発の関連施設、弾道ミサイル工場などの重要拠点を叩くと同時に、イラン軍の参謀総長、革命防衛隊の司令官、そしてイランの核開発を担う科学者などをピンポイントで殺害することに成功した。

名付けて「ライジング・ライオン作戦」。こんなに効率的な「斬首作戦」はいまだかつて聞いたことがない。作戦の陰には、諜報機関モサドなどによる相当に周到な事前工作があったとみられている。

イスラエルは昨年9月、レバノンのヒズボラに対して、数千台のポケベルを同時に爆発させるという意外な手法で、大打撃を与えたばかりである。「イスラエルはスマホに侵入する能力があるから」という理由で、あえてヒズボラ構成員にローテクのポケベルを持たせていたところ、ひそかに爆発物入りのものが配布されていたのだという。いやもう、何ともおっかない。今のような「地政学リスク」の全盛時代においては、軍事技術のイノベーションが一気に加速するものなのだろうか?

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