【半導体商社】またも高まる「再編機運」、三菱電機・ルネサス系商社が台風の目?生き残りをかけた合従連衡が相次ぐ切実事情

半導体商社業界に、またもや再編のうねりが押し寄せている。
独立系商社の加賀電子は5月30日、三菱電機系商社の協栄産業を完全子会社化することを発表した。発表日の終値に77%のプレミアムを乗せ、1株3950円でTOBを行う。
半導体商社は半導体メーカーから半導体を仕入れ、電機メーカーなどの顧客に販売する。中小ロットや周辺部品にも柔軟に対応している半導体商社は“御用聞き”として重宝され、小規模な企業がひしめき合ってきた。近年は設計や技術サポートまで手がけるなど、専門性を高めている。
この数年、仕入れ先である半導体メーカーの合従連衡に伴い、アクティビストも巻き込む形での業界再編が巻き起こってきた。
今回の加賀電子の買収についてある中堅半導体商社の幹部は「驚いた。これから焦点になるのは、三菱電機の動きだろう」と指摘する。いったいどういうことなのか。
マクニカのワントップ布陣
まずは業界の勢力図を押さえておこう。唯一、売上高1兆円を超える絶対的なトップに君臨しているのが、独立系のマクニカホールディングス。2番手グループには、ソニーの代理店からスタートしたレスター(今期売上高予想6000億円)と、今回買収を発表した加賀電子(同5300億円)がつけている。
2番手グループに食い込もうとしているのが、昨年の経営統合によって誕生したリョーサン菱洋ホールディングス(同3800億円)。そしてそれ以下には、売上高500億〜2000億円規模の多くの商社がひしめきあっているという構図だ。
トップ集団には共通の特徴がある。それぞれ、買収や経営統合で規模を拡大してきたということだ。昨年誕生したリョーサン菱洋を筆頭に、マクニカは富士エレクトロニクスとの経営統合により発足。加賀電子やレスターもこの数年で、複数の同業を買収している。

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