吉沢亮主演『国宝』大ヒットの背景に“歌舞伎ファン”の圧倒的な支持 「上映3時間」「難解なテーマ」ながら、なぜ若者にも支持されるのか?

歌舞伎を題材にした約3時間の超大作映画『国宝』が好調だ。
1週目こそ興収3億4600万円(週末映画動員ランキング3位)と凡庸なスタートだったが、2週目で前週比143.4%と大きく数字を伸ばし、公開13日間で興収15億円、17日間で21億円を突破。
伝統芸能を美しく映し出す芸術性と、熱量高く演じられた人間ドラマのエンターテインメント性を両立させた作品性が話題になり、上半期の映画界を代表するムーブメントになっている。
その背景にあるのが、年配層の歌舞伎ファンからの圧倒的な支持だ。そこを震源地に話題が広がり、話題作以外では映画館に足を向けない若い世代の関心も引いている。
歌舞伎の世界を舞台にした濃密な人間ドラマ

本作は作家・吉田修一氏の小説『国宝』を原作にしており、芸の道に人生を捧げた主人公の50年を描く壮大な一代記だ。歌舞伎の世界を舞台にした濃密な人間ドラマになっている。
物語は1960年代の長崎からはじまる。地元の任侠一門に生まれた主人公・喜久雄(吉沢亮)は幼くして父をなくし、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎(渡辺謙)に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。そこで、半二郎の実の息子であり、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介(横浜流星)と出会う。
正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる2人は、お互いをライバルとして高め合い、芸にすべてを捧げる。しかし、いつしか名門一家の跡取りを巡る、努力ではどうにもならない“血筋と才能”の葛藤にもがき苦しみ、それぞれ壮絶な人生を歩むことになる。
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