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京セラにオアシスが「圧」、岐路に立つ多角化経営。3期連続減益、低迷する名門企業は何を誤ったか

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京セラの看板
稲盛氏肝煎りの多角化経営が見直しを迫られる事態に(写真:編集部撮影)

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半導体や家電など日本の電機産業は凋落の歴史をたどったが、電子部品は高い競争力を保ち、日本勢が世界生産額の3割超を占める。その強さの源にあるのが独自の経営戦略だ。村田製作所、TDK、ミネベアミツミ――。本特集では彼らの流儀のエッセンスをお届けする。

「経営の神様」稲盛和夫氏なき後の京セラに、株主から厳しい目が向けられている。

6月26日、京都市内のホテルで京セラの定時株主総会が開催された。5議案すべてが可決されたものの、山口悟郎会長と谷本秀夫社長の取締役再任案に対する賛成率はそれぞれ約63%、約69%と7割を切る低水準となった。

京セラのトップ再任に、事前に反対表明をしていたのがアクティビストとして知られる香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントだ。保有する京セラ株は5%未満とみられる。オアシスは5月15日、「より『強い』京セラ」と題したキャンペーンサイトを公開。京セラに対して7つの戦略提言を打ち出し、経営改革を要求した。

同時に公開された京セラに関する調査資料は120ページ超のボリュームで、「競合に大きく劣後」「アメーバ経営の本質から逸脱」といった文言で踏み込んだ改革の必要性を訴えた。しかし京セラがこの提言に「耳を傾けず、真に変革を遂げる意思も見られ」(6月のリリース)ないとし、改めてトップの経営責任を追及したのだ。

米国の議決権行使助言会社、ISS(インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ)とグラスルイスがトップ再任への反対を推奨したことも低い賛成率に影響したとみられる。

「AI需要」を取り込めず

実際、京セラの足元の業績は低迷している。

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