
(写真:編集部撮影)
半導体や家電など日本の電機産業は凋落の歴史をたどったが、電子部品は高い競争力を保ち、日本勢が世界生産額の3割超を占める。その強さの源にあるのが独自の経営戦略だ。村田製作所、TDK、ミネベアミツミ――。本特集では彼らの流儀のエッセンスをお届けする。
村田製作所は売上高の約6割を世界首位の製品が占め、先端品でもボリュームゾーンでも競争力を持つ。この強さは同社の特許動向に顕著に表れている。特許分析を手がけるパテント・リザルト社の調査から見ていこう。
「特許力」は年々上昇
まず注目したいのが、業界の枠を超えて村田の特許の競争力が上昇していることだ。図①は世界全業種を対象に日米欧中で特許を出願した企業を「パテントスコア」でランキング化したものだ。
特許への注目度を偏差値化したのがこのスコアで、認知度や他社への影響力の高さを裏付ける。2024年は首位が中国ファーウェイ、2位が韓国サムスン電子、9位に中国テンセントと、アジア勢の台頭が目立つ。米IT大手の名前も並ぶ。この面々の中で村田は5年ごとに順位を上げ、米GEの次、26位につける。
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