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TDK「電池への甘え」を断つポートフォリオ改革。キャッシュ重視の経営に転換、次世代へ種まきも

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TDKの看板
(写真:編集部撮影)

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半導体や家電など日本の電機産業は凋落の歴史をたどったが、電子部品は高い競争力を保ち、日本勢が世界生産額の3割超を占める。その強さの源にあるのが独自の経営戦略だ。村田製作所、TDK、ミネベアミツミ――。本特集では彼らの流儀のエッセンスをお届けする。

「企業価値をまったく生み出せていない」。10年ほど前、IRを担当していたTDKの山西哲司・現CFO(最高財務責任者)は、投資家に厳しい言葉を投げかけられた。当時は買収した小型2次電池の事業が屋台骨へと成長し、売上高は2015年3月期に1兆円の大台を突破。営業利益率も改善傾向にあった。

問題視されたのは、キャッシュフローだ。2次電池の主力はスマートフォン向けで、顧客の新モデル発表に合わせて毎年、求められる性能が高まる。量産ラインの造り込みも必須。そのため、稼いだ利益の大部分を先行投資につぎ込んでいた。業績好調でも手元に現金は残らず、株主への配当の原資を借り入れで賄うほどだった。

主力事業は祖業から枝分かれ

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