有料会員限定

期待の新規事業の潜在性を検証、TDK「ポスト2次電池」の3候補。全固体電池、故障予知センサー…

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
FCLMが搭載されたARグラス
FCLMが搭載されたARグラス(写真:編集部撮影)

特集「電子部品 最強烈伝。」の他の記事を読む

半導体や家電など日本の電機産業は凋落の歴史をたどったが、電子部品は高い競争力を保ち、日本勢が世界生産額の3割超を占める。その強さの源にあるのが独自の経営戦略だ。村田製作所、TDK、ミネベアミツミ――。本特集では彼らの流儀のエッセンスをお届けする。

TDKは多種多様なテーマでの研究開発を、マーケティング部門と連携しながら進めている。稼ぎ頭の2次電池をいつか超えるような事業柱を創出するためだ。ここでは中長期的な視点で、その可能性を秘めた3製品をピックアップ。「期待の新人」たちの実力や将来性を探った。

フルカラーレーザーモジュール|レーザーを網膜に投影

その眼鏡を装着すると、通常の視界に重なって、カラフルな文字やロボットの映像が目の前に浮かぶ。長さ10センチメートルほどの細長い部品がテンプル(耳に掛ける部分)に沿って固定され、中にはTDKが開発した世界最小級のフルカラーレーザーモジュール(FCLM)が搭載されている。

小指の爪ほどのサイズのFCLMから出たレーザー光が眼鏡のレンズに反射して、目の網膜に直接映像を投影する。この方法では、現実の視界が奪われず、ピントを合わせる必要もないため、視力を損なわないメリットがある。

現実の光景とデジタル映像を同時に視認できるこのようなデバイスは、「AR(拡張現実)グラス」と呼ばれる。視覚情報を映像や音声で補うAR技術は、将来はスマホを代替するとの見方もあるが、現状では普及に至っていない。ウェアラブル端末に載せられるほどの小型化が難しく、サイズや操作性、価格に問題があるためだ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD