
モーターの型数は全体で100程度に集約されている(写真:編集部撮影)
半導体や家電など日本の電機産業は凋落の歴史をたどったが、電子部品は高い競争力を保ち、日本勢が世界生産額の3割超を占める。その強さの源にあるのが独自の経営戦略だ。村田製作所、TDK、ミネベアミツミ――。本特集では彼らの流儀のエッセンスをお届けする。
北総鉄道の松飛台駅(千葉県松戸市)から北へ5分ほど歩くと、広大な敷地を誇る都立八柱霊園に着く。その東端に隣接して本社を構えるのが「中小型モーターの雄」、マブチモーターだ。
ポリシーは、特注品を造らないこと。平均単価150円ほどの汎用品を年間約13億個生産し、2024年12月期の売上高は1962億円。一見、薄利多売のビジネスに思えるだろう。だが、営業利益率は直近10期の平均で12%を超える。同じくモーターを扱うニデックは同約9%、ミネベアミツミは同約7%だ。事業規模は及ばないが、採算性で勝る。
秘訣は「標準化」戦略
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