
海外従業員向けの幹部育成研修「Global Leadership Program(GLP)」を受講した、シンガポール出身のゲリー・ハン氏(写真の左から2番目、提供:村田製作所)
半導体や家電など日本の電機産業は凋落の歴史をたどったが、電子部品は高い競争力を保ち、日本勢が世界生産額の3割超を占める。その強さの源にあるのが独自の経営戦略だ。村田製作所、TDK、ミネベアミツミ――。本特集では彼らの流儀のエッセンスをお届けする。
村田製作所の海外売上高比率は9割を超える。海外従業員は連結で3万7000人超と、全体の過半を占める(2024年度時点)。
世界に散らばる顧客への営業や海外生産を支えるのが「グローバル人材」だ。経営理念を共有したうえで、国や地域を超えた多様な価値観の下で活躍できる人材を同社はそう定義し、さまざまな育成プログラムを用意している。
グローバル人材としての育成は入社直後から始まる。近年重視しているのが、日本で総合職採用された新入社員の海外工場実習だ。村田製作所の新入社員は、配属部門を問わず入社すると間もなく半年間の工場実習に派遣される。製造現場を学ぶことが目的だ。
中国、フィリピン工場に新入社員を派遣
従来は20カ所程度の国内工場に派遣されていたが、2023年度からスタートしたのが海外工場実習。配属先で海外拠点の製造品と関わる社員を対象に、実習期間の後半で海外へ派遣される。
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