
貝沼由久(かいぬま・よしひさ)/ミネベアミツミ会長CEO。1956年生まれ。慶応大学法学部卒業、米ハーバード大学ロースクール修了。88年ミネベア(現ミネベアミツミ)入社。2009年社長就任、23年から現職(撮影:梅谷秀司)
半導体や家電など日本の電機産業は凋落の歴史をたどったが、電子部品は高い競争力を保ち、日本勢が世界生産額の3割超を占める。その強さの源にあるのが独自の経営戦略だ。村田製作所、TDK、ミネベアミツミ――。本特集では彼らの流儀のエッセンスをお届けする。
「東の貝沼、西の永守」──。
ミネベアミツミの貝沼由久会長CEOは、ニデックの永守重信グローバルグループ代表と並び称される買収巧者だ。M&A(合併・買収)による飛躍の背景や、異なる技術同士を掛け合わせる「相合(そうごう)」戦略の極意を聞いた。
買収の成否は人次第
──もともとベアリングメーカーのミネベアミツミが、電子部品でも強いのはなぜですか。
例えば高性能なモーターを造るには、よいベアリングやパワー半導体が不可欠だ。当社はすべて自前なので、最適化を果たせる。これを「相合」と言っている。
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