大阪府内の集合住宅にあるその部屋は、3LDKのゆとりある間取りだった。窓からは日が差し込み、畳の上に日陰と日向のコントラストができている。いわゆる「ゴミ屋敷」や「モノ屋敷」といった、生活が破綻した空間ではない。しかし、住人が突然いなくなったことで、残された家族は「片付け」という現実に直面していた――。
本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。
YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの事例を配信する
ゴミ屋敷・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)代表の二見文直氏に、実家じまいや自宅の断捨離などで、家族がすべきことを聞いた。
動画:母の生前整理を依頼「残された家族を想い介護施設入所を決断」
突然、施設に入ることになった義母
この部屋に1人で住んでいた高齢の女性は、ある日病院に運ばれ、そのまま施設に入ることが決まった。よって、部屋は搬送時のままの状態だ。ゴミはないが、モノの量はそれなりにある。
和室には、高齢者が1人で運び出すには困難な大型の洋服ダンスなどの家具が並ぶ。リビングには大きな食器棚があり、1人暮らしには多すぎる数の食器が収納されている。
片付けの途中で、水銀タイプの体温計が見つかった。一見すると整理されているように見える部屋だったが、収納の奥には数十年間にわたって蓄積された品々が眠っている。押し入れには複数組の布団がしまわれており、かつてここには家族で住んでいたのだということが見てとれた。
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