「私の子どもが小学校6年生になるまで一緒に暮らしていました。離れて暮らすようになってから、義母はすごくモノが増えました。何から手をつけたらいいかわからない状態でしたが、本人に聞くと『全部処分していい』と。いるモノがあるか再度確認しましたが、『任せる』と言われました。長年使っていなくてホコリを被っているモノも多かったので、きっと病院に持って行っても使わなかったはずです。
義母には認知症の兆候もあり、どれが自分のモノなのか、何が必要なモノなのか、わからなくなってきています。なので、本当に思い出せる物だけを残して、あとはすべて処分することにしました」
当日の作業は、「イーブイ」のスタッフ7名が担当した。室内での仕分けに3名、外への運び出しに4名を配置。3LDKの家財撤去を3~4時間で済ませる予定だ。
「家に帰りたい」親と、「施設に入ってほしい」子
「イーブイ」代表の二見文直氏は、今回のように本人が「全部処分していい」とすんなり承諾するケースについて、自身の経験からこう分析している。
「施設に移るタイミングで『全部捨てていい』と言う高齢者の心境は、実は『諦め』であることが多いんです。『もうこういう状況になったんだから仕方ない』と執着を捨てられているのでしょう。逆に、『まだ1人で生活できる』と自分の力を信じている人ほど、モノを捨てるのを拒みます。なぜなら、『家が片付く=自分が帰る場所がなくなる』と直感的にわかっているからです」
家族が安全のために施設への入居を勧めても、本人が「家で過ごしたい」と頑なに拒む。こうした親子間の意見のぶつかり合いは、「実家じまい」の現場では日常茶飯事だという。



















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