週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
ライフ #「ゴミ屋敷」孤独な部屋の住人たち

「全部処分していいから」と言い残し、自ら施設に入った母 その言動の裏にあった"真意"に胸が痛む…子が直面した《実家じまい》の現実

10分で読める
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

現場では、家具をスムーズに運び出すため、まずは襖やドアカーテンなどの建具を取り外す作業が進められていた。二見氏が手を動かしながら、こう漏らした。

「お義母さんが『施設に入りたい』と言ったのは、本当は、残される家族のことを思いすぎて出した答えなのかもしれません。理由は人それぞれですし、第三者がどうこう言えることではありません。結局は当事者同士でひたすら話し合うしかないんです。30~40年と積み重ねてきた生活を、たった1~2時間の話し合いで決められるわけがない。説得する側もそう考えることができれば、どれだけ時間がかかってもイライラしづらくなると思うんです」

一切モノがなくなった室内(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
「自分たちだけではとても片付けられなかった」と話す依頼者(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

「心配だから施設に」の裏にある“本音”

家族が抱える「本音」についても、こう指摘する。

この連載の一覧はこちら

「『1人だと心配だから施設に』という言葉を、単なる善意としてだけ見るのは少し違う気もします。言葉を選ばずに言えば、自分たちの生活から『親の心配』という負担を取り除きたい、という思いもどこかにあるはず。

本当に親のことだけを100%考えるなら、仕事が終わったあとに毎日会いに行き、毎日電話をすればいい。でも、現実にはそんなこと不可能です。だからこそ、どちらが正しいという正解を求めるのではなく、折り合いをつけていくしかないんです」

部屋に残された大量のCDやDVDは、義母がこの家で過ごした時間の証しでもあった。そのすべてを処分するという決断の裏には、自分が判断能力を失う前に自分の身の回りを整理しておきたいという、義母なりの「家族への最後の配慮」があった。

生活感が色濃く残っていたキッチンもすべて片付いた(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象