「そうした衝突は、本当に多いです。ただ、私たち業者がその親子喧嘩に割って入って、どちらかを説得するようなことはしません。あまり立ち入りすぎないように気をつけています」
二見氏自身、将来の自分を想像すると「最後は家で過ごしたい」という思いがある。
「僕は人と住むのが苦手ですし、何より自分の家が大好きだからです。それは高齢の方だって同じだと思うんですよ。長年住み慣れた家を離れて、急に知らない場所で他人に囲まれて暮らしたい、なんて思う人は少ない。環境の変化を嫌がるのは自然な反応なんです。
施設に入れられることを『子どもに見捨てられた』と受け取ってしまう人もいれば、逆に『子どもに迷惑をかけたくない』と自分を納得させて受け入れる人もいる。結局、それまでの家族の関係性がそのまま出るんでしょうね」
具体的な「情報の把握」が何よりの備え
二見氏は、自身の祖母との苦い記憶も明かしてくれた。
「私の祖母は、子どもや孫とすごく仲が悪かったんです。祖母はいつも『あんたたちには迷惑をかけない、兄弟がなんとかしてくれる』と言い張っていましたが、いざとなったら私たちが助けるしかありませんでした。
葬儀費用についても『葬儀会社に全額払ってあるから大丈夫』と言っていたのに、亡くなった後に確認したら、払っていたのは基本料金だけで実際にはかなりの追加費用がかかりました。本人が『準備はできている』と言っていても、蓋を開けてみれば事実と違う、というケースは本当に多いんです」
高齢者の側は「自分はまだ1人で大丈夫だ」と思うが、家族の側は「火事を起こしたり近所に迷惑をかけたりしたらどうしよう」と不安になる。その溝が埋まらないまま家族関係が悪化していってしまうのだ。



















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