ファン減少続く日本野球の「超不安」な未来

急激な「地盤沈下」は、もはや隠し切れない

プロ野球や高校野球の球場は盛況だが、野球ファンの総数は減少が続いている(写真:m.Taira / PIXTA)

日本野球の未来は暗い。こう言い切ってしまうと、驚く人が多いだろう。熱心なファンは、プロ野球や高校野球の人気は盤石だと感じているかもしれない。だが、実際に複数のデータから浮かぶのは、深刻な「野球離れ」の実像だ。日本の野球界は、もはや差し迫っていると言ってもいい"危機"を迎えつつある。このままでは、国民的人気を誇ってきた野球がマイナースポーツになってしまう。私自身、野球を愛してやまない1人のファンであり、それだけに現状を危惧している。

「そんなはずはない。野球人気は今も高い。いや、以前に比べてもファンは増えている」。そう声を上げたくなる野球ファンも多いだろう。確かに2016年の日本のプロ野球の観客動員はセ・パ、両リーグとも史上最多を記録し、合計で2498万人に上った。広島東洋カープや横浜DeNAベイスターズなど、ファンがホームゲームを観戦しようとしても、チケットの入手が困難な球団も出てきている。

高校野球はどうか。2017年春の「センバツ」高校野球では53万人が甲子園に足を運んだ。これも1985年に観客数を発表してから最多だ。プロ野球も高校野球も球場は大入り満員に沸いている。「それなのにいったい、何を言っているのか」というのは当然の疑問だ。

しかし、少年野球、高校野球などの現場から聞こえてくる声は違う。多くの野球指導者やプロ野球関係者は「野球の現状は相当に深刻だ。このままだと、本当にまずい」と異口同音に言う。

若い世代で進む「野球離れ」の深刻さ

なぜ、野球の関係者は危機感を口にするのか。それは、プロ野球や高校野球を熱心に観戦するファンであっても知らない事実かもしれないが、特に若年層の「野球離れ」が急激に進んでいることが大きな理由だ。

中学校の体育系部活動を統括する「日本中学校体育連盟」の競技別生徒数を見てみよう。軟式野球部に属する2016年度生徒数は、男女合わせて18万7752人。5年前の2011年度と比較すると、3割強も減少している。

この5年間で大きな異変も起きた。2012年度までは野球部員が最多だったのが、2013年度にはついにトップの座をサッカー部に明け渡したのだ。その後も2016年度まで、サッカー部と野球部の部員数の差は開き続けている。ちなみに、中学校のサッカー部員数は、2016年度に23万3467人。サッカー部員も5年間で3%強減ってはいるが、文部科学省の調査による全国の中学校生徒数が5年で4%強減る中で、健闘しているといっていいだろう。野球の急減とは文字どおり、ケタ違いだ。

小学生の間でも、野球人気は凋落している。4月5日にクラレが発表した新小学1年生の「なりたい職業」の調査結果では、男の子はスポーツ選手が1位で、その内訳はサッカー選手が57.7%でトップ。野球は2位につけたとはいえ、過去最低の17.8%だった。特に都会の場合、空き地が減ったことに加え、公園でボール遊びが禁止されていることも多い。サッカーと比べても、遊ぶのにそれなりに広いスペースとまとまった人数が必要だ。子どもにとって、野球は昔に比べてずっと縁遠い遊びになっている。

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