「歌を聴いていると気に障る」「暗いヤロウだ」とアンチが湧いた過去…それでも《さだまさし》が「1兆人に1人の存在」と絶賛されるワケ

今年、52周年を迎えた歌手・さだまさしの活動が、心配になるほどアグレッシブだ。
5月14日、ソロ通算45作目・自身通算50作目を数えるオリジナル・アルバム『生命の樹~Tree of Life〜』をリリース。8月6日には被爆80年に合わせて、イベント「夏 長崎から2025」を19年ぶりに開催する。
12月までは全国ツアーを回っているが、7月5日には声が突然出なくなり、鹿児島のコンサートを延期するニュースが入ってきたものの、中5日で復帰している。
機関車のごとく走り続け、日本中を訪ねていく。デビュー時からそれは変わらない。時には激しく叩かれながらも、名曲を生み出し、各会場をつねに満席にし続け、半世紀。さだまさしの魅力とは――。

「さだまさし」のファンを公言できなかった時代
さだまさしと深い交流があり、その「うらの顔」を知る知識人たちの「さだ論評」を集めた『うらさだ』(小学館文庫)によると、カズレーザーが、さだの楽曲『二軍選手』が大好きだと話し、堀江貴文は「1兆人に1人の存在」と絶賛。「償い」にウルっときた……など、一癖も二癖もある方たちが、さだの歌を聴いて、大切な何かを想っている。
そんな今では考えられないことだが、1970年代から1980年代前半、時代の中でさだまさしの曲は、つねに苦手意識と感動のボーダーラインで揺れていた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら