ひとりで暮らす人の部屋から、その人なりの生き方をのぞく連載「だから、ひとり暮らし」。家族、仕事、住まい、お金ーーそれぞれの暮らしの選択をたどりながら、いまを生きるヒントを探っていく。
団地と年金
今回焦点をあてるのは、団地、そして年金。近年、昭和の遺産ともいえる「団地」に、改めて注目が集まっている。住まいとしての合理性が見直され、時代に合った使われ方も広がりつつある。一方、年金をめぐる状況も変わり、受給開始をどう選ぶかは、現役世代にとっても他人事ではなくなってきた。
団地と年金。暮らしをどう組み立てるかという問いを考えるうえで、その両方と向き合ってきた人がいる。都内で団地暮らしを続けるテネキ~・カルメンさん(仮名・76歳)だ。
彼女は46歳のとき、夫と暮らす団地から、娘2人を連れて逃げ出した。結婚生活では夫のパワー・ハラスメントや言葉の暴力に悩まされ、一文無しでの再出発だったという。それから介護職で身を立てながら娘たちを育て上げ、今はひとり暮らし。
テネキ~・カルメンの名前の由来は、「定年金の下流女」という自虐ユーモアだそう。彼女はこの名前で、年金11万円で暮らす家計簿を、日常の様子とともにブログやYouTubeで発信している。表現活動をする理由は、「ちょっとした反骨精神」とのことだ。
その真意や、現在の生活に至る経緯について聞いた。




















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