森永卓郎さんが徹底解説! 老後資金の「貯め過ぎ」が招く意外な落とし穴 “預貯金500万円”を超えると、補足給付が受けられない
闇雲に貯金を増やすのは禁物
日本は諸外国に比べて、老後の安心が十分に得られない国になってしまいました。
そんな日本でゆくゆく老後を過ごすとなると、第一に考えるのは預金を増やすことでしょう。最近は政府の旗振りもあって投資を始める人が増えてはいますが、それでもなお、日本の高齢者の貯蓄率は、他国に比べて格段に高いのです。
私自身、よそでも本書でも、「投資はやめよう」「貯金しよう」と勧めてきました。
ただ、ここで問題にしたいのは貯蓄の程度です。
実は「貯め過ぎ」は損する可能性が高いのです。国の制度は、預貯金のある人から切り捨てる方向に向かっています。その意味でも、やはり「お金はあればあるほどいい」という常識を捨てる必要があるでしょう。
預貯金のある人から切り捨てるというのは、たとえば2000年に創設された介護保険制度にも表れています。
制度開始当初、介護施設での食費や部屋代などは、預貯金の有無にかかわらず、介護保険の対象でした。ところが2005年、原則自己負担になりました。低所得者に対する救済措置を作るためでした。


















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